Tears to Tiara総合感想文
Tears to Tiara感想。
Tears to Tiara 通常版 by G-Tools |
まずは簡単なあらすじから。
がその勢力を広げ、かつての『古代王国』の領域までをも
浸食しつつあった。
そんな中、ある部族の女の子、“リアンノン”が魔王復活の儀式の為、
帝国司祭によって生贄にされそうになっていた。
儀式は“リアンノン”の兄“アルサル”によって阻まれたのだが、
結局、魔王“アロウン”は復活してしまうことに…。
終わった終わった。1ヵ月以上遊ばせてもらいましたティアーズトゥティアラ。
話本編は長いというわけではないのですが、装備を調えたり傭兵を鍛えたり
していたら、こんなに時間がかかってしまいましたよ。エロゲープレイ時間最長を
マーク。寄り道しなければさくっと終わるボリュームらしいので、時間がかかった
のはひとえに私のプレイスタイルにあるようです。
体験版をやってみて、魔王と恐れられているにしては愛嬌のあるアロウンと、
その過去になんぞ色々あったふうな回想に、「燃えの予感」を感じて迷いつつも
購入をしてみたわけで……
我が選択眼に誤りなし
でありました。
あー燃えた燃えた。暗い炎の燃えではなく、まっとうな熱い友情物語が大噴火
ですよ。父から子へ子から父へ、受け継がれる誇りと尊厳、同じ夢を追いかける
友と並んだ姿勢は凛とし、スパーンとテンション急上昇、おんおんと泣いてしまった。
普段はアホなやつらだが、終わった今では最高にかっこいい。
もちろん残念だったところもあります。そのへんをちょっくら箇条書きにして
みました。順番に意味はありません。
1・女性キャラが本筋にからんでこないこともあって、エロ要員化。
2・CGの上手さにばらつきがあり、ものによっては「お前誰だ?」現象発生。
3・一部音声にもばらつきが。追加収録でもしたのか、それともマイクの差か。
4・立ち絵表情が乏しい。もう2枚ぐらいバリエーションがあると良い。
5・半リアルタイムシュミュレーションなので、全キャラをマニュアル受付で操作
すると鬼のめんどうくささ。オートでやらないかぎりはターン制シュミュの
ほうがいい。
6・ストーリーの起伏がちと乱暴。突然パッカーンと盛り上がる。
7・意外と狭い世界。大陸に侵攻とかない。
8・”アロウン女独り占め” 状態にちと無理が。
9・迫力不足の敵。
良いところ……というか気に入っているところ。
10・ここぞという場面でいい曲が流れるので、たいへんに盛り上がる。最高。
11・泣かせ方が悲しい涙ではない。正の燃えゲーム。しゃれにならん熱さ。
12・戦闘マップミニキャラがどれもかわいい。アニメーションもキャラらしい動き。
13・頻繁にセーブ画面が出てきて遊びやすい。
14・キャラに声があっている。みなさん上手くて盛り上げに貢献。
15・プレイスタイルに合わせて難易度選択が可能。傭兵雇用システムあり。
フリーマップでレベル上げも可なので安心。
16・戦闘時Shiftキー押しで早送りになる。
では1~13について、つっこみたい部分を抜き出してみます。
<1>
女性キャラは日常パートでしか活躍がなく、メイン舞台は日常とエロという
残念な状態だ。これが延々と続くので不安にはなるのだが、この日常パートは
私は嫌いじゃない。
前半から中盤に差し込まれ、このキャラ達はちゃんとお腹も空きますよ、戦争
ばかりやってるんじゃないですよ、かっこいいだけじゃなくとほほもあるよ、と
わかっていい。私はちゃんと笑えたしキャラに愛着も持てました。
つーかなんだ、そのー、申し訳ないんだが、日常パートもエロも私は
アロウン様萌え
視点で楽しんでしまったため、どれもおいしくいただけました。イベント全て
にアロウンがからんでいると言ってよく、そのためイベントいらんだなんて口が
裂けても言えん。イベントは重要なんだ、作品全体から見るとだるいイベント
連発すらも、アロウン萌えにとってはパラダイスなんだよ。
でもエロゲなので、やっぱり女性キャラの魅力も堪能したいです。
日常パートでいいところもあるけれど、本編で活躍してくれないとどうも印象が
薄い。
<2>
絵は原画のレベルアップを痛感できる内容になっとります(笑)
確かに初期に描かれたであろうものは「いくらなんでも」なヒロイン絵になって
いるのですが、個人的にはこの原画さんの絵は好きだ。
私は綺麗に整った絵よりも、多少歪みがある(悪い意味でなく)絵のほうが魅力的
に感じるので、他リーフ原画陣より気に入っています。
<5>
オートでやっているぶんには問題はない。指示を出したほうがよいキャラ
は決まってくるので、そのキャラのみマニュアルにすればいいので。
オートでプレイできるのは「普通」難易度あたりまでか?
<6>
まったり期間とそうでないところが明確にわかれている。徐々に、段階的に
盛り上がってくるわけではないので波が激しい。何かが起こるドキドキ感はない。
<8>
これについてはネタバレ欄で。
<9>
ガイウスはいいのだけど、それ以外がどうも。
<10>
要所要所でかかる音楽によって、えっらいテンション上げられてもた。
音楽の使い方は実に上手い。「最期の誓い」「初源の歌」「凱歌」は流れるだけで
グっとくる。凱歌なんてカタカナ英語ばりばりの、どちらかというとしょぼんな歌
なんですけど、作中内で流れるととても美しい場面になるんだな。
ほんと、音楽の使い方には満点をあげたい。
<12>
マップミニキャラがかわいいです。キャラクタのイメージを崩さず、それでいて
きちんとミニキャラ化してあります。ここのかわいさがゲームに興味を持った理由の
ひとつだったり。武器を持つとそれに合わせて絵も変わります。
魔法を唱えたり技を使ったりするごとにアニメーションするので、それも楽しい。
技は絵のカットインがありボイスが入ります。ボイスは各キャラ何種類がある
みたいですなー。全部拾いたくなる。
<13>
セーブはセーブ画面でしか行えないものの、セーブ画面は戦闘in時に必ず、
戦闘終了後にも表示されるので中断が可能。
<14>
ボイス万歳。飛ばさずちゃんと聞いていました。男女ともみなさん上手なので
盛り上げに一役買っています。ボイスONOFF選択可能。
アロウンはえろす所の声と普段が一緒のトーンなので、そこがもったいなくはあるが。
(一部除く)
<15>
難易度選択は初っぱなに設定し、最後まで変えられません。超簡単モード
だとフルオートでいける。難易度によっては出にくいレアアイテムもあるので、
シュミュが得意なのかアイテム集めに燃えたいのか、自分と相談して選択すると
よいでしょう。
花冠ほしいなぁ……
主人公はアルサルに見えますが違います。アルサルは準主人公で、主役は
魔王アロウンです。ストーリーは1本道でキャラ別エンドはありません。
友情物ですがアルサルとアロウンの友情というよりは、アロウンの過去が熱い
わけですよ。そこは実に残念なところだ。
クリアするとあちこちに伏線がはってあるのがわかります。OPは全部わかって
から観ると切ない。
まぁなんだ、一言でTears to Tiaraを言うと、
女はいいから
アロウンに萌えるんだ。
厳密にいうと男性キャラに燃えるんだ、というところか。悲痛に嗚咽し友情で
結ばれ、肩を並べて同じ希望を見る、そんな野郎キャラが最高に熱いので
ありますよ。
面白かったし満足しているのだが、不満点も色々出てくるといったところか。
いいシーンは盛り上がるし最高に燃えるんだが、それ以外のところがトホホ。
値段分楽しめるかどうかは良点とトホホ部分を相殺して、どちらがどれだけ残ったか
によると言えよう。それはどんな買い物にも言えることなんですけども。
私はアロウンを気に入っていたので、多くの方が「いらん・だるい」というとほほ部分
すら美味しくいただけ、なおかつ良点を思いきり堪能できたため、相殺してなおプラスに
なってしまった。つまりアロウン萌えは七難隠す(しょうもねぇ)
そのためちと偏り気味の感想です。そこをふまえてよろしくしてやってください。
しかしまぁ、こんなくるくるぱーな感想上げることになろうとは……とほーり!
以下はネタバレありの感想につき、リンクで隠します。
全女子最初からアロウン様大好きっ子状態というところと、とってつけたような 女がのっぴきならない事情を抱えてアロウンのところにくる→アロウン助ける という構図になっており、アロウンが自ら望んで手を出したキャラは一人も アロウン萌え視点でのエロならオクタ・モルガン・リムリス・ラスティですなー。 T3は男性キャラのキャラクターが立っているので、アルサルやタリエシンにも 燃え最大瞬間風速はタリエシンがマーク。 まぁなんだ、物語の盛り上がりはラストにはなく、ラスト手前の回想にある アロウンが主人公なので仕方のない部分もあるのですが、後半はアルサル Tears to Tiaraは男性キャラの熱さを楽しめるゲームであって、エロや女性 以下プレイ中の感想です。ここで上げたことも含まれていますが、基本的に Tears to Tiara 11は「プィルとアロウンの馴れ初めシーンに大絶叫の巻」なので、より頭緩めに
エロ導入は不自然でした。まぁそんなエロゲは山ほどあるわけだが、T3の場合
魔王も女子もアッパラパーに見える。
残念なのはエルミン。彼女とは関係を結ばず、アロウンの娘的ポジションのほうが
魅力的にみえたんじゃないかな、と。エロ以外のエルミンはいい味出してるんだよ。
いいセリフ言ってこともあって、もったいないお化けが出ました。
魔王側でいうとアロウンのキャラが、たくさん嫁さんいてもいいというキャラに
感じないのですよ。なんつーかこう、アロウンがお父さんなのです。
=嫁にする
ないんじゃないかという……あちゃー。
女子萌えという点でのエロなら、リムリスとエポナ、オクタ2度目がよかったです。
エポナはぎゅーっと抱きしめたくなるし、リムリスはいじめたくなる(魔王と同化
してもた:笑)
オクタヴィアは普段落ちつき目の声が高くなるのがいい。あと白シャツ万歳。
どの女性キャラも2度目えちーにはいいところがあります。
オクタ・モルはアロウン受でおいしくて、リムリスはプチ子犬……いや狼化?
ラスティは声の演技が光ってる。アロウン担当の方はえろす所と普段のセリフ調子
が一緒という、エロ度の低い演技なんだが、ラスティのはいいトーンが出た。
(意図的にそういう演技にしてるのかとも思う。エロゲなのでそこをがんばっても
喜ぶ人は少ない)
絵的にはエルミン2回目と風呂イベントか。CGに魔王の表情が入っているので。
あとリアンノンは第一夫人パワーがあって、アロウンから「愛してる」だの
「ちゅー」だのをしてもらえます(笑)
相方がほしかったかな。
アロウン×エポナのイベントはエポナがかわいかったのですが、タリエシンと漫才
しているエポナのほうが好きなんですよ。あのエポナのペースを乱しまくる
タリエシンが強い(笑)
エロゲで脇カプは寝取られと言われる危険性を孕んでいて、そしてT3の場合
話の主軸が薄くなってしまいそうではあるのだが……男の友情物には女の入る
隙間はないってことなのか(笑)
魔法陣破壊イベントではあまりの男前度に、燃えメーターはち切れんばかり
に針が振れたよ。
エンディング直前にあっさり戻ってきたのは拍子抜けしたが。
物語の盛り上がりとしては殺したままにしておいたほうがいいのだろうけど、
キャラへの愛着から見ると、生きていてくれてよかったと思えます。物語としては
戻ってきて正解な気がする。
ラストミルディンの墓碑の前に佇む3人は、静かで穏やかで、そして慈愛に
満ちていていいラストでした。
わけなんだけどな(笑)
回想はめっちゃ熱いんだけど、これと同じぐらいアロウンとアルサルに友情を
感じられるとよかったんですけどね。中盤の盛り上がりはあれど、お互い向き
合うようなイベントが欲しかったかなと。
プィルとの友情の続きという印象を払拭し、アルサル個人との友情を見せて
ほしかったかな。つーか、これがないのが一番痛い。
アロウンの目覚めの時プィルの夢を見るのだけど、そこでプィルが「導いて
やってくれ」と言うんですよね。で、そのままになる。一行のお父さんみたい
なんですよ。
プィルとは肩を並べて戦った対等の関係に見えるんだけど、アルサルは
アロウンの一歩後ろを歩いている印象だ。プィルがアロウンに「友」という関係を
提示したように、アルサルとアロウンの間にもお互い尊敬できるものを持って
いるんだ、という認識がほしかった。
達の戦動機が弱いのね。いや、プィルとの過去の戦を見ているから迫力に
欠けてしまうのか? 過去の戦は「誇りと尊厳」のための戦いとも言えるからなぁ。
それに対してアルサルのは「攻められているから戦う」という内容で、降り
かかる火の粉を払うのは当たり前ではあるものの、プィルの戦いと比べると
原始的な戦いに見える。
アロウンについていって戦っているのはいいんだが、ならば「友のために」
というところをもっと強調していただけると、するっと納得できたかと。
そのためには上記で述べたことが必要になるわけだが。
ペン・ドラゴンとして王国国王となるのなら、しっかりと地に足ついている
アルサルを書いてほしかったわけですよ。
キャラの魅力を楽しむゲームにはなっていません。
エロゲとしてはどうかとは思うし残念と思うところもたくさんある。
けれども抗いがたい盛り上がりが確かにあるゲームでありますよ。
アロウン様萌え感想と言える……これとかわらないですね。
1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 ・ 5 ・ 6 ・ 7 ・ 8 ・ 9 ・ 10 ・ 11
なっとります……とほー。
ちょこっとばかり、せつがさんの感想についてレスを。というか、全く同感ばかりなんで、補足にしかならないのですが(笑)。
<1> 本筋が、アロウンとプィルの夢の続きである以上、その夢に幾ばくかでも絡めないと本筋での活躍が出てこないですよね。アルサルはプィルの生まれ変わりだし、爺はアロウンと過去を共有しているし、タリはアロウンの過去を見てる、と男陣が全員本筋に絡んでるのに、どうして女性陣はリアンノンですら、それがないのかなぁ(笑)。妖精さんずだって、1人くらい先の大戦の生き残りがいたって良いのに。その中では、エルミンのポジションだけちょっと美味しいかも。逆に言うと、全員がエルミンと同じポジションなんで、最も幼い彼女のキャラだけが立ってるような・・・
<7> これはラストぎりぎりまで敵が帝国であった事が影響しちゃってるかと思います。ガイウスが死んだときに、帝国のバックにいる精霊が敵として出てくるかと思ってたんですが、それがなかったせいでアルサル以下人間族の戦う理由が「火の粉を払う」以上の物にならなかった。元もと彼らが戦いを始めたのが、帝国からの独立、ではなくて攫われた妹を救うという事だったわけで、自分たちの生存権を圧倒的に否定してくる敵が出てこなくては、こちらから攻め込むといった事にならないのでしょう。妖精族にしたって、アロウンと爺くらいしか真の敵を見据えてなかったし、その中でラスボスが最後のダンジョンで判明しては、世界の広がりようがなかったかな、と。ただこれは、プィル達妖精族が置かれた立場と比較すると、仕方のない事だったのかな、とも思えますが。
全体的に、話がアロウンの過去とはなんだったのかが本筋になっているせいで、今現在がおざなりになっている、とまでは言わないもののアロウンとプィルの夢がどうなったのかという結果であったり、あるいは今の視点から過去を顧みるという形で語れている部分が大きすぎたのかな、と思います。
そのために過去と繋がらないキャラがどちらかというと日常のにぎやかしになったり、アルサルがプィルの生まれ変わり以上になれなかったりしてしまってるような・・・。そういう話嫌いではないんですが、だったらもうちょっとアロウン・プィル戦争(と便宜的に言ってしまいますが)に焦点を当てるシナリオでもよかったのではないかな、と。
どうしても、アロウンの心は過去に残ったままで終わってる感じがしてしまいますし(それが、何となく全編を通じて哀しさの余韻を漂わせてるような)。とくにプリムラとの関係はもうちょっと描かれていてもよかったと思うんですよね。もしかしたら見逃してるかもですが、プリムラってプィルとくっついて、アルサルやリアンノンの祖になってるんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょうね。
ま、何が言いたいかというと、アロウンも良いけど、オクタヴィアもね!という事で(笑) 白シャツ万歳~~
最後に1つ、とあるゲームとの比較を書いてみたくなったんですが、よくよく考えると確かそのゲーム、せつがさんは未プレイだったような記憶が(笑)。完全ネタバレになるから、今ここでは話せないですね。早く終わらせてください、そのゲームを(ぉ
●紅葉屋さん
リアンノン役の声優さんもコメントで「男性声優陣の活躍の輪に入り
たかった」というようなことをおっしゃっていて、コメント聞いて苦笑して
しまったのですよ。本筋に絡まないのにも程がある(笑)
アルサルはプィルの生まれ変わりではなくあくまでも子孫なのですが、
生まれ変わりとして見えてしまう、アロウンがプィルを投影しすぎて
しまうあたりもまずかったのかな、と思います。
過去編にばかり目がいくのは、アルサルとの新しい友情(物語)を
築けていないことでもあるので。
>アロウンの心は過去に残ったままで終わってる感じがしてしまいますし(それが、何となく全編を通じて哀しさの余韻を漂わせてるような)。
ここの意見にはぶんぶんと首を縦に振ってしまいました。
なんとなく感じていて言葉にならなかった部分でした。
このちょっとした哀しさはT3の特徴かもしれません。
プリムラがあの後どうなったのかは描かれていないのですが、
リアンノンの真名からしてプィルの妻となり、兄妹の祖になる
んだろうなーと思っていました。ごくナチュラルに(笑)
ところでオクタヴィアの白シャツ万歳には強く同意できる(笑)
終わらせるゲームというとキャノンボールとかForestとかメガラフター
とか、ライアー物が色々と思い浮かびます(笑)
残念ながらその辺のゲームではありません。
ああ、でも、それらのゲームも終わらせて感想をアップして下さい(笑)
●紅葉屋さん
もしかしてうたわれるものでしょうか。
今日顔を洗っているときにふと思い立ちました(笑)