老ヴォール読了
夜更かし生活はあまりよろしくないということで、朝型生活に変えて
みようかと思っちょります。寝てられるのならどこまでも寝ててぇ! という
私なので、どこまでやれるかわからんのですが、と今から予防線を
はっておく。
日記の更新も朝にシフトすると思われますので、よろしくお願いいたします。
いやまぁ、多くのサイトは夜更新ですし人が多いのも夜だ。なので人様に
読んでもらうことを考えると、夜更新のほうがいいとは思うんだがな。
それに夜ならば睡眠時間を削ればいくらでも時間を作れるし。朝はどう
足掻いたって出勤までの時間しかないからなぁ。
まぁやるだけやってみてだめだったら元に戻す。
9月30日から10月21日へ発売日が延期。9/30は激戦区だったんだが、
AYAKASHIが抜けぼんふりも抜けたか。
素直にお薦めできる、面白い。
老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809)) 小川 一水 早川書房 2005-08-09 by G-Tools |
長編でにょろりと顔を見せるラストうっちゃり病もなく、綺麗にまとまってます。
SFにありがちなくどい蘊蓄や凝りすぎて引いてしまう設定はなく、それでいて
SFの要点は押さえてあるかんじ。短編ということもあり肩肘張らずツルっと
読めて、それでいて食い足りないところはなしでした。
表題の「老ヴォールの惑星」と書き下ろしの「漂った男」が実に良い。
老ヴォールは人間ではない知的生命体の話しなんだけど、読んでいくに
つれ彼らに愛着を覚える始末。彼らが試行錯誤を重ね知識を伝えてゆく
さまは、いつもの小川プロジェクトX節を彷彿させられてプチ燃え。
そしてせつないラストと小さな希望という、たいへん素敵な話でした。
「漂った男」は先がどうなるのかと気になって気になって仕方のない話だ。
要するに引きが強い。遭難し無人の星で通信機の会話だけを頼りに生き抜く
男の話なんだが、遭難していても生命の危機とかない。ないけど、どう生きて
いくかを問題にしてて、遭難物としては趣がだいぶ異なるかと。
4編収録の短編集ですが、いつもの現場話ではなくどう生きるかが主題
になっているのかな。小川さんの話しは「人間大好き」が根底にあるようで、
どれも希望が見える内容なんだけど、そこが鼻につく人も多いんだよね。
今回の4編の全てにそれは感じられるものの、いい具合に作用している
ように思えます。特に漂った男はホロリとするようないい話になっている。
小川一水さんは現場のプロの話が魅力的な作家ですが、今回の短編集は
どの話も現場話ではない。ないのだけどちゃんと面白い。
安心して薦められる小川一水本になってます。小川作品ちゅうのはどんな
もんかいな、という方は是非手にとっていただきたい。
いただきたいが、他にもこんな作品はないの? と聞かれると無いんだよなぁ(笑)
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