クロノベルト感想文はいつもより邪念30%UPでお送りいたします。
後半はとくに苦手な方にはしんどい内容だと思われますので自衛を
お願いします。ネタバレありです。
クロノベルト終了しました。
終わるとあやかしびととBullet Butlersを再びやりたくなる不思議。
東出シナリオゲーム2本のキャラが出てくるソフトなんで、ファンディスクという
位置づけになるのかもしれません。新規CG、音楽で構成された完全新ゲーム
ではなく、本編からの流用に新規CGと物語を加えてつくられたソフトです。
”あやかしびととBullet Butlersキャラが交叉したらどうなるか”という俺っちの
脳内妄想ここに具現化! というネタではあります。しかしただのお祭り的な
内容ではなくちゃんとお話がある。
あやかしびととBullet Butlers両方を遊んでいないと面白さ7割減ですし、
Bullet Butlers小説版とあやかしびとお返しディスクにもふれていると小ネタで
ニヤリとできる。とまぁ推奨プレイ条件のハードルは高いんだが、ファンディスク
というには手がこんでいて、というか手が込みすぎていて鼻血がでるほどの
熱さと面白さがありました。
九鬼とアルフレッド編の感想はリンク先で書いているので、クロノベルト
本編の感想をば。
クロノベルト編は九鬼・アルフレッド編を前提条件とした物語で、しょっぱな
から両世界のキャラが殺し合いしまくる&エロエロよー! というカオス具合。
ループが続くのは不気味でいい。開始直後の感想はこちら。
妖怪が2世界を模倣して世界、住人を作ったはいいけど妖怪(雲外鏡)は
思いのほか人間味があったらしく姉妹喧嘩はじめたもんで、世界はえれー
ことになってしまいました!→住人大迷惑!→殺し合いしてたけどこんな
世界は御免被るので全員で協力し世界をなんとかするぜ! というのが
基本の話ではある。
こうやって書くとありがちな話ではあるけれど、そんな話から目がそらせない
ほどのめりこんでしまったのですよ。
「こうだったらいいな」というシーンを見ることができるという点もありましたし、
両世界のキャラクタたちが混じり合うことでどういう選択をし、どういう生き様を
見せてくれるのか楽しみでしかたがなかったわけで。
九鬼・アルフレッド介入とラストバトル付近の双七とセルマがやたらと
かっこよくて激しく燃えた。双七が「自分は如月双七である」と啖呵切った
ところで音楽inとか危険すぎる。セルマ特攻は伏線こそあったものの「黒い影」
というのが最初誰のことを指しているのかわからずにいたもので、一乃谷兄妹
シーンで明確な描写が出てきたときは劇的だったなー。
セルマファンの私としては直後の展開も劇的だったわけですが。
まさか昇天するとは思わなかったよ……主をなくしたリックがどうなるのかも
拝ませてもらったし、主死亡がどれだけ核地雷なのかもわかった。
そんな展開もあってエピローグのリックとセルマが活きてくるわけですが、
この主従エピローグについては後ほど語る。
クロノベルト本編はあやかしびと勢とBullet Butlers勢がひたすら殺し合って
いるのが印象的で、両世界のキャラクタが多数混じりあい敵意なく会話する
という if はあまり楽しめない。ちょろっとは出てくるしそこは興味深いのです
けれども。
双七とリックの主人公ふたりは色々と会話するので面白い。
リックがお兄さんしてるんだよな。あれかっこよかったよ。新鮮でした。
模倣世界といえども九鬼とアルフレッド(ルダ)は本物という話し。
九鬼は子供双七を教えていたころの九鬼が戻ってきてたなーと。
双七との会話はまどうことなき”九鬼先生”だった。見たかった薫との隊長
部下のやりとりも拝めて満足。
バトル方面はもちろんそれ以外でもとても魅力的に描かれていて、
言動すべてにかっけーと言いっぱなしだった。一奈への復讐をああいった
形で完遂ってのは、年輪刻んだおっさんだからこそ活きてくる展開だったと
思います。
そしてエピローグですよ。九鬼の人生への決着という感じでした。
なんかもうよかったね超よかったねとしか言葉が出てこないわけなんですよ。
最期はとーちゃんでいられたんだな……抱っこするか? に泣きそうになった。
アルフレッドは遅めの情操教育が完了し、ごく普通のまっとうな人間に
なったな。空洞を抱えたキャラとしておキャラ立ちしていたアルフレッドなので、
キャラが違うとも見えるかもしれないが、そんなアルフレッドの空洞が満た
される話なんでしょう。
アルフレッド編の終盤バトルででは神懸かった音楽inともあわさって、
名言とクロノベルトにおける燃えの瞬間最大風速をたたき出す。
「銃弾の執事なり」と決められたときはテンションメーターはち切れるかと
思ったわ! 殺す気か!
クロノベルト本編での出来事は本世界でのキャラたちにちみっと伝達
されたようで、夢というような形で記憶されたようでした。そんなところが
少しだけ切ない。
クロノ世界に生まれた全員が「己と世界は複製であり、みなで殺し合った」
という記憶を消すことを選択したなか、双七とリックだけは記憶を残すことを
選択するんですよね。この両主人公は痛みを抱えたまま生きていくことを
考えると、よけいオリジナルへの伝達が切ないものに感じます。
このエピローグは色々なキャラにカメラを向けるので楽しかったんだが
そのぶん長くて、ちっとだれる気はしたな。
あとクロノベルト編は視点担当キャラの立ち絵が出てくるのが新鮮でした。
今までもあったのかもしれないが、ここにきて初めて気がついた。
文章に「今カメラになっているキャラ」の思考が書かれている場合、普通なら
カメラキャラの視界=プレイヤーが見ている画面なんですが、クロノベルト編
では立ち絵にカメラキャラも表示されていることがある。
全部がそういった表示になっているわけではないのだけれど、文章の視点も
俯瞰になったりもするので小説っぽいところがありますね。
これはこれでいいものだなー。相手の独り言を聞いている感は薄くなる
ような気がする。
えーお話やキャラについてのまっとうな感想は以上です。
細かいところを上げていくとまだまだあるのですが、以下の感想はカプ萌え
視点の頭悪い感想になります。
ええその、発売前からは予想もしていなかった事態になりまして。
るっだるだにされたんよ!
なんだこれ……おかしい、こんなはずでは。
ルダがかわいくてかわいくてしかたがありません。
人の形を得たことでできることを、大事にするルダがたまらなくいじらしい。
小さな幸せを奇跡とすら感じてるっぽくそこが儚い。
2千年くらい前にベイルとの相性の悪さから女性型人格をとったはいいけれど、
巡り巡ってハーフエルフの男に惚れてうっかり泣いて、異世界で人間として
添い遂げましたってえれー激動の神パーツだな(笑) 女人格を持ったことに
よってこんなことになるたぁお釈迦様でも知るまいよ。
ラストらへんの”誰が犠牲になろうかのぅ問答”でルダが出てきたときは
やーめーれー! とのたうちまわりながら話しを進めたが、その後の展開で
別な意味で再びのたうちまわりながらクリックすることになろうとは……
さすがに驚いた。
まさかルダがあんなストレートなプロポーズをされるとは。
あれはそうとしか見えないんですけどどうよ?
エロゲ主人公はヒロインに好意があるのはわかるがこの愛はどの愛
なんだ? と判断つきにくいことがあって、東出シナリオもそんな印象が
ありました。まぁ読み手の受け取り方が問題なんだろう。
それでも「かりそめの旅人たち編」でルダの位置づけがアルフレッドの中で
変化したんだろうとは理解できるし、今までより明確でつっこんだ描写を
しているなーとかなりのニヤニヤ描写だったんだが……
どっこいそれだけじゃ終わらなかった。
クロノベルト本編では男性側の心情を含んだガチもガチの大告白が
出てきてわしの頭はお花畑になった。なんちゅう乙女萌えゲーですか
クロノベルトは。情操教育完了したアルフレッドは剛速球すぎますよ(笑)
ここのルダの反応がまためんこいんですけどね!
シーンでは前述したカメラキャラの立ち絵表示があって、ふたりの会話を
眺めているような画面になるんですよね。これがいいんだなー。
ラストでは記憶を消す選択をしたふたりですが、これってルダの
「兵器としてあった」という記憶までなくなってしまうのだろうか?
他のキャラたちは「己と世界は複製であり、みなで殺し合った」という
記憶を消して、ただ世界の住人たろうとしたわけだけだ。
けれどもアルフレッドとルダは複製ではない。そしてアルフレッドが記憶を
消すことを選択したキモは、ルダの兵器として命を蹂躙し続けた事実と
その痛みを知ったルダを、ただの女として生きさせてやりたいというところ
なんだと思ったんですよ。
そうするとクロノベルト世界へきたところからエンディングまでの記憶を
消しただけでは意味がなくなるんだよな。兵器としてあったことを忘れ
なければならないから、そうなるとふたりが出会う前提条件がなくなって
しまうのじゃないかと。
うーん、やはり「クロノ世界の住人としてある」という設定の内わけを読み
とってないのか、私が。
死ぬ最期には主と、自分たちが犯した罪も含めて思い出させるという
設定にはなっているっぽいが、個人的な好みとしては痛みもひっくるめて
寄り添ってほしかったなーと思っとります。
キャラが幸せになるのは大歓迎なんですが、ここで全部忘れたら主従萌え
とか儚さとかチャラになっちまうじゃねぇのよ!(笑)
まぁ私の解釈通りなのか見当違いなのかわからんが、どちらにせよ記憶を
消すというのはルダのための選択っぽいんで、どんだけルダにやられてんだ
兄貴はよ、と突っ込まざるをえないわけだが(笑)
もーなんだよこのラブラブカッポーはよ。兄弟そろって萌え殺す気か!!
そうだよ弟側もえれーことになってんですよ!
>セルマとの桃色展開なかったら発売前からがっかり2割増だぜー(笑)
なんてことを発売前にいっていましたが、まぁエロはあった。
あったがエロなだけで私の見たかったエロではなかったな。
そもそもセルマがセルマだったのは一瞬だけだったし、Bullet Butlers本編
でちゃんとやったことなんでそこに文句はない。
というか、ないどころか私の見たかった展開が出たよー!
激情にかられセルマを抱きしめてしまうリックがな。
きたよ、きたんだよこれが。ここが重要なんだよっ。
お嬢様と執事という絶対的な壁を情熱が飛び越えてしまうってのが
主従萌えの醍醐味ですよ。バレバト本編後のセルマとリックのやりとりでは
これが見たかった。
セルマもかわいい告白をしてくれるしで、短いシーンにもかかわらず
お腹いっぱい夢いっぱい。これを見ることができて満足しました(安い)。
バレットバトラーズはホンマ主従萌えのバイブルやで。
それにしても今回のpropellerはおかしい。
回を追うごとに乙女萌えニヤリングのいいところをついてくるようになっては
いたが、それがいきなり急加速したかんじ。ヒロインのルート分岐がない
1点突破型だからこんなつっこんだ書き方しているのか?
女性キャラのセリフとか男性側の描写とかあれこれいいツボを突きまくって
いる。女性のブレーンがいるのかね。
個人的には楽しさが割増しまくったので今後ともお願いしたいところ。
極燃えゲーでありながら乙女回路もフル回転ってどんだけステキゲー
なんだ。最高だったよクロノベルト。開発室に向かって敬礼。
私と趣味が近い人はやっておくが大吉、ということで締めさせていただきます。
以下雑感箇条書き。
・マグダラがあっさり退場するとはなー。マグダラがここで倒れてしまうと
小説版のアーネストが空振りに終わってしまうので、退場でいてくれよとは
思ってはいたが、いやなタイミングで復活しそうでバトルシーンでは
ハラハラしたよ。
そこでは出てこなかったけれど、最後世界全員の意志を聞く場面で彼女の
思惑が混じり、多少の悪意が入り込むのだと……退場=ゴルトロックへ戻って
おりました(笑)
所持するエメス・トラブラムと彼女自身のスペックが反則レベルで高く、
アーネストが倒せるのかはわからんなぁ。マグダラを殺すためには聖導評議会
に乗り込むかマグダラの中身自体を外に出させるかしないとだめだもんな。
マグダラはクロノベルトを引き寄せるシーンの簡易ムービーが好きだ。
あれが表示されたときは「おー」と思ったもんです。
・ルダは別世界でアルフレッドの嫁になってしまったが、ゴルトロック世界の
リックの銃はどうなってしまったんだろう。
どうもセルマルートの時間軸からマクダラはやってきたようだから、そうすると
手元に残ったのはルダなわけで。でもエピローグでリックはルダと呼ばないん
だよね。拳銃と考えているあたりどうなっているのか気になります。
この世界ではこの世界でルダがいるんだろうか。
エメス・トラブラムなしだと攻撃力が落ちるってどころじゃないよなぁ。
・マグダラとすれ違うリックのCGにいる帽子をかぶった通行人(茶色のほう)
が立木恭一郎に見える。
・アルフレッド担当の声優さんてこんなに鼻声だったか?
・ルダのラストCGは中央東口さんご本人が塗っているんだろうか。
あと兄弟のラブラブ斑影。
・塗りといえばアルフレッドが銃を構えている2枚のCGは、同じ方が塗って
いるような気がします。
・ベイルとルダに会話がほしかったな。どんなやりとりになるんだろう。
・ファンディスクをやるとタイトル本編のキャラがよりいっそう好きになる
体質のようです。空の軌跡3rdもそうだったなぁ。
・Bullet Butlers本編でも思ったけれどヴァレリアがちょいおっかねぇ。
クロノベルトでも「がんばったんだから今日はもうお休みしよう」ということを
言われます。がんばっている戦士に休息を与える暖かさみたいなものは
あるんだけど、闘志ごともってかれそうで一度はまると抜け出せないような。
ゆっくり休んだから明日からまたがんばろうではなく、そのままふぬけにされ
そうな怖さを覚える。
・トーニャのおキャラ立ちが光りまくり。生徒会メンバーでわいわいやって
いるところに彼女がいないとトーンダウンってくらい、活き活きと描かれて
いるかと。声優さんの演技も面白いしでいいキャラになったなぁ。
やさぐれているときが最高ですよ。彼女と双七は中の人の演技も気に
入っています。
神沢学園生徒会やドミニオンといった所属チームがあるからなのか、
あやかしびとは惚れたはれたエロよりも、みんなでわいわいやっているのを
見るのが楽しいです。
・全編クリア後に出てくる中央東口さんの壁紙は夢が広がる起爆剤だ。
こういう想像をしているときは楽しいもんですが、作り手側の方たちも
遊んじゃうもんなんでしょうかねー。
しかし琴姉……いや、なんとなく主人公より年上かなと。あの表情の
柔らかさが年上っぽく、そしてそこがいいんだ。いい表情だな。
・人物辞典の愁厳項目ラストにスタッフありがとうと言いたい。
藤枝あやかは会長にとっていい位置にいる女性だったんだなぁ。
忘れないで記載していただけてファンとしては幸せだ。
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