牙狼最終話感想
第壱話 牙狼、襲来
第弐話 見知った、5万円
第参話 鳴らない、時計
第四話 まずい飯、逃げ出した後
第伍話 都市伝説、編集のむこうに
第六話 出現、同業者零
第七話 生身アクションの造りしもの
第八話 21話伏線、来日
第九話 瞬間、轟天、召喚
第拾話 サイコダイバー
第拾壱話 キスした街灯の下で
第拾弐話 親父の価値は
第拾参話 総集編、挿入
第拾四話 零、ドリームキャッチャーの輪
第拾伍話 女体と板尾
第拾六話 ツンデレに至る病、そして
第拾七話 修羅場の適格者
第拾八話 上司の選択を
第拾九話 暗黒騎士との戰い
第弐拾話 鋼牙のかたち、カオルのかたち
第弐拾壱話 カップル、誕生
第弐拾弐話 せめて、恋人らしく
第弐拾参話 最期のコダマ
第弐拾四話 終わるバラゴ
最終話 世界の中心で鋼牙×カオルを叫んだけもの ←いまここ
エヴァンゲリオンは全26話のため牙狼にあてはめると1話分余ってしまいまして、
「第弐拾参話 涙」をとっぱらってしまいました。
ちゅうか、これ無理あるところ多いやね。いちおう各話内容と照らし合わせよう
とがんばったのだけど難しかった。
今1話の感想を読み返してみるとえっらいテンション高くて、一目で堕ちたのが
よくわかる。漫画にあるような、すっこーんと恋に落ちる描写のソレだった。
毎週金曜深夜の逢瀬は泣いても笑ってもこれが最後。中盤わたわたおたおた
大暴れしましたが、最後を迎えた今、心はお坊様のように澄み切って……
澄み切って……
澄み切ってねぇー!
あと10分いや5分放送時間が長ければ、もうちょっと自然な感じになったかもしれ
ない。いやいや、放送時間内にまとまってはいるのだけど、いつもよりぎゅうぎゅうに
詰め込まれていて作品世界へ入り込みにくかったんだ。
すごいすごいと騒ぎながらも面白画像に片足つっこんでしまったようなアクションと
映像に手をたたいて笑ってしまった。
こんなのやっちゃうのかという勢いっぷりに大笑い(いい意味で)しているのと同時に、
ネタにも見えて笑ってもいるという不思議現象が起こりましたよ。
前半のvsメシア戦は神様との戦いみたいなもので、体格差(どころじゃない)も
あって戦艦を戦闘機1機で沈めたという印象でした。
メシアに手も足も出ない鋼牙はカオルの描いた絵が力となりパワーアップ。
ガロに飛行能力が備わる。翼の生えたガロは最初はやりすぎ感を覚えたがすぐに
慣れた。これはこれでかっこいいんじゃないかと。羽ばたいてぐんと加速するシーンは
観たかったんだがね。あることにはあるのだけど、ちょっとわかりずらい。
急所へストレートな一撃をたたき込みメシアを撃破。滅びゆくメシアに吸い込まれ
そうになるシーンは、大きな質量を持ったものが消滅するときのブラックホールにも
似ています。で、そこからキバが出てきて鋼牙を引きずり込もうとするわけだ。
しかしながら愛の力は偉大なのです。吸い込まれそうになる鋼牙をカオルが手を
さしのべ助けるわけだな。
ここのカオルがめっちゃ綺麗だ。本当に綺麗。
鋼牙になくてはならない笑顔はこれなんだろうなぁと心底思ったさ。
音楽がまたいいんだなこれが。
このへんカオルが物理的にも鋼牙を支えるシーンで気に入っています。現実に
戻ってきたときしっかり手を握っているのもツボ。カオルが両手で鋼牙の手を
包み込むように握ってんですよね。二人起きあがるとき鋼牙はカオルと呼んで
いてそこも萌えるんじゃ!
(カオルと呼んでいるのは零じゃないよな? ちょっと疑問は残る)
つまるところこのメシア戦はカオルと鋼牙の絆を描いた戦いなわけだ。
二人の間にがっちりラインが通っていたからこその勝利なわけですよ。
いやもうものすごいラブラブっぷりだろこれ。
カオルと組む限り鋼牙はいくらでもパワーアップが可能なんじゃないか。
鋼牙にとってのみカオルは魔戒絵師(という職業があるのかはわからんが)みたいな
ものですやね。
他の騎士には効果がないため、専属中の専属絵師になってしまうが(笑)
で、現実に帰ってきてからのvsキバは鋼牙の戦いになると。
零のことも忘れたくはないんだが、牙狼という作品はとことんまで主役びいきという
こともあり、復讐は涙をのんでいただくことになったなぁ。
キバとのバトルは色々と趣向が凝らされていていいのですが、ここが面白画像の
原因になっとるよ。落下飛行する魔導輪上での鋼牙vsキバ空中戦はよかったん
だけど、そこへ零が駆けつけてきて
お前どこからきたー!?
空飛んだのかよ!
という、ナイスアシストに喜ぶよりもつっこみのほうが先にたってしまった。
ここが一番笑えたわけだが。
落下していく魔導輪上のバトルはともかく、着地し回転する輪の中での
ハムスターバトル
はどうか。魔導輪がハムスターが遊ぶ輪っかみたいに見えるんです。
黒いハムやんと白いハムやんが大暴れ。
転がりの果てにタンカーにぶつかってタンカー爆破て。鋼牙は最終話だけで3回
ほど吹っ飛ばされておりますよ(笑)
吹っ飛び後のキババトルロケーションはかなり好きだ。
炎くすぶるバトル場となるんだけど、剣を構える鋼牙が静かでいい。息を切らせて
るんだけど、これが最後になるだろうという覚悟ゆえに静かに見える。
召喚できなくなっていた鎧もザルバ尽力にてフルパワー召喚というかんじ。
マント背負ったガロ登場に、ぱーんとテンション上がってもた。あのBGMはやばい。
あの曲を聴いただけでぐっとくるってもんですよ。
鎧を召喚してからは斬り結びもなく終わってしまい、いささか残念なんだけど、
ガロのイメージからはそれで納得できてしまうんですよね。潔く振り下ろす剣は
すべて必殺、一刀両断というのがガロのイメージなんですよ。
逆にゼロはヒット数で稼ぐという印象です。
ガロが自分は一人ではなく過去のガロという称号を得た英霊達とともに戦って
いるのだ、というくだりはどうなんだと思ったなぁ。
一人ではないと言い出したとき、ゴンザやカオル、零、ザルバといったメンバーを
思い浮かべたものだから、突然英霊と言われてもピンときませんでした。
ネタ視点で笑ってみてしまう部分と、素直にかっこいい凄いと感じる部分が
同時に起こっています。
ハムやんバトルや空中戦につっこみを入れつつも、アクションのロケーションを
あれこれと提示されて常に新鮮でしたし、身体の捌きもかっこよくてときめいた。
父親を殺した左腕を自らの左腕で受け止めるシーンはいいね。鋼牙が幼少の
トラウマを克服したシーンでかっこよかったです。
あとハムバトル中でキバの突きを剣の腹で受け止めるシーンもいい。
こういった仰々しいまでのロケーションのあとにストレートなチャンバラがあり、
ゆえにそこが引き締まって見えガロらしさを感じました。
でもってここからが鋼牙×カオル者にとってはキモだよ。キモなんだよ姉さん。
番組開始当時から最後は一緒にならんのでね? と言われ続けてきましたが、
読みどおり離別エンドとなりました。ですがこの離別エンドは私が想像していた
最良の離別エンドでありました。
鋼牙は北管轄へ移動しカオルはイタリアへ絵の修行と離ればなれにはなる。
なるんだけど、それはお互い成長するための離別で
君ら3・4年後には再会してますね?
という確信に満ちた予感が持てるエンドでした。
もちろん二人並んだエンドも希望していたのですが、それでカオルが絵の道を
なあなあにしていたらしぼむのでこれでよかったのかなと。
数年後に人として異性としてレベルアップしたお互いをみてどきんこすると
いいさ、いいともさ!
あくまでもいち視聴者の勝手な予感で妄想ではあるのだが、信じられるって
こわいなぁと他人事のように考えるくらい私の中では確定してる。
痛くてすまんす。
零を見送ったあとの鋼牙とカオルのシーンがまた萌えまくりですよ。
鋼牙は「お前には本当に世話になった」とかぬかしてますが、思わず目をそらして
しまうあたり本心の根っこのあたりに堪え忍ぶなにかが見えます。
礼儀正しく一礼というのは実に鋼牙らしいのですがええ、本当は抱きしめたい
んじゃないですか、連れて行きたいじゃないですかー!
そう見えてしまってぬがー! と身悶えた(落ち着けよ)。
カオルもそうされてしまったことが少しだけ寂しく、でもそうできないところも
わかって彼らしくて、だから「最後まで愛想のないやつ」というちょっとした強がり
が出たんだろうなぁ。
ああもどかしい。いいからぎゅーってしちゃえよと思うんだが、そうならないから
こその鋼牙というキャラだし、そう作らないところが牙狼のいいところでもある。
ただこのシーン、ちょっと不安にはなったですよ。もう会えない会わないみたいな
けじめみたいなものも感じられるという。うへぇ。
ことこの二人に関してはこのエンドで3年は戦えます(笑)
車内でカオルから渡された絵本の最終ページをみて男泣きの鋼牙っつうのは
やられたなぁと。これは鋼牙がストイックなキャラだからこそ引き立った絵だね。
涙は女の最終兵器と言いますが、こういうストイッカーにおいては男だって
最終兵器涙となるようだ(笑)
いやもーほんと、マジ泣きまでさせられた女からは離れられんだろーよこれは。
という考えも浮かぶんだが上記のような「けじめ」ととった場合、もう会わないと
決めた女が真摯に自分のことを想って描き上げた絵にどうしようもなく心うたれ、
その覚悟の辛さに涙したようにも見えるという……あああああ、自分の想像に
鬱入ってきた(笑)
つっこむとすれば助手席に乗る鋼牙か。こういう車の場合普通は後部座席に
乗るんでね?(笑)
しかし記憶をなくすのがザルバだとは思わなんだよ。鎧召喚に力を使い果たして
魔戒へ帰るものの、新たな魔導輪として鋼牙のもとへ再び召喚される。
だがそれまでの鋼牙と過ごした戦いの記憶はなし。記憶をリセットされた友人との
新しい一歩は、いささか切ない思いもしような。
零がシルヴァを相棒としていたわっているシーンは、もしかしてこれが初めて
なんじゃなかろうか。かっこいいセリフでしたよー。
ゴンザにみ見せ場が。剣を持ってピンチの零を助けるが、剣がソウルメタルだと
気がついたとたん重くてもてなくなるというとほほっぷり。そこがいいんだけどね。
ラスト鋼牙のこれからの戦いの地として雪原に立つ鋼牙という絵が映るが、
ものっそい絵になるな。雪の中に立つガロも観てみたい。
魔戒騎士の戦いはこれからも続くのだというエンドは、これからをあれこれと
想像できてすてきな終わり方だと思います。
暗黒魔戒騎士編と出るのは上記のような理由からで、続編の予定があるという
わけではないらしい。(※監督日記参照)
もちろん商業的にGOサインが出て監督がその気になったら撮れるわけですが。
牙狼は最初から最後までテーマが一貫していて、それがきちんと描き表されて
いたんじゃなかろうか。人との絆なぞなくひたすら孤独であった黄金騎士は、
女と出会い関わり合うことにより絆を手にすることになる。そしてそれはとても
とても大切なものなんじゃよーという話であった。
1話から最終話まで、スタッフさんは作品を作り上げるために苦労連続だったの
でしょう。いやまぁ仕事ですんであまり美化するのもなんだなとは思うのですが。
そんな作品にのめり込み、毎週放送日が待ち遠しくてわくわくできた半年間。
楽しかった。実に実に楽しかったです。
全てのスタッフ様に感謝を。お疲れ様でした。
わたし特撮をろくろく観ないくせに雨宮特撮だけは観てるんだけど、これで
離れられないことが決定的になってしまった気がする。
とんでもないことになった(笑)