サムライチャンプルー21悲歌慷慨2 感想
あははは! なんじゃこりゃ。あはは、もうバカとしかいいようがない。
ほんと、まじ勘弁して。
アホみたいに動く、アホみたいなチャンバラ。
静の演出もばっちり効いて、話の余韻をひきずってもう最高。
作画はちっともキャラ絵と似ていないのですが、私は気になりませんでした。
今回の話しには合っている絵だとすら思えたわけでして。
個人的にはこういった絵は好きなので没問題。ただしキャラ絵に似ていないので、
作品の統一感はなくなっています。
放送開始直後は前回の続き、橋の上でのジンvs沙羅から始まります。
のっけから脇と足に深く傷を負うジンは、こりゃやべぇと橋を落として河へとダイブ。
もう退路はそこしかなかったんですわなー。
当然沙羅も河へと落ちるのですが、こちらは運良く橋の近くで救出されます。
ジンは桃太郎よろしくどんぶらこと川下へゴー。
水に広がる血と眼鏡が「やばさ加減」を現しています。
ジンのことが気になるフウは、もう少し待っていようかとムゲンに提案するの
ですが、「夢見てんじゃねぇ」と一蹴されます。そこへ橋が落ちたと騒ぎ出す
村人がやってきて、気になった二人は橋元へと移動。
そこで助かった沙羅さんと対面となりました。ここの絵が色っぽいんだこれが。
沙羅は見つかったものの、ジンは見つかりません。橋の川下はすぐに滝に
なっています。傷を負い河に落ちたジンはどうなってしまうのか、助けられている
んだろうなーとは思うものの、作品の世界に飲み込まれていてはらはらしました。
フウが沙羅を介抱している間に川辺を歩くムゲンは、沙羅の「商売道具」を
拾ってくる。それを黙って差し出すことにより、ムゲンは沙羅の正体を知って
いると暗に告げています。ここでムゲンvs沙羅の幕開けとなるのですが……
先週「ムゲンとならバトル相性いいかもな」なんて書いたのですが、わたくしが
間違っておりました。
ムゲン完敗。
沙羅強さは半端ではない。今までの話しの中で一番強いというか、ムゲンも
ジンも歯が立たないんですよ。
がっちりと腹をえぐられ、その上心の内すら見透かされるのです。
怒りと憎しみが渦巻いているのに、それが哀しいのかもわからない。そして
誰にも愛されたことがないと突きつけられる。そしてそこが私と一緒だと沙羅
は告げます。
剣の腕でも完敗ですが、こう心を見透かされるのはもっと痛いだろうな。
ムゲンは止めを刺されそうになり、そこへ飛び込んできたフウに助けられる
のですが……ここで沙羅とムゲンは決定的に違ってしまったんじゃなかろうか。
ムゲンはフウに愛されてるじゃないですか。口ではなんだかんだ言っていて
そこには損得もあるけど、それだけではないからフウはかばえたわけで。
男女の愛とかそういうのではなく、人としての愛というかなんというか。
フウを見た沙羅はとどめをさすことなく去っていくのですが、たぶんここで
ムゲンが愛されているとわかってしまったから、手を引いたのかなーと。
や、見当違いな読み方をしているのかも(笑)
そしてここで場面がかわり、床に伏した髪の長い女が映ります。
あれ? 沙羅なのかな? まぁ彼女も病み上がりでバトルってたからなー
などと思っていたら、キャラから男の声が聞こえるんですよ。
ってジンかよ!!?
まじすか……なんなんだこれは。男女すら見分けがつかなくなったというか、
私の目が腐れているのはわかっているが、ここの色気はちょっと異常じゃないです。
キャラ表からは遠い作画でエッジの効いた線で描いてあり、顔つきなんかも暗く
二枚目には描かれていません。ですがそれ故にジンと沙羅は疲れたような、変な
色気が出てしまっている。
キャラ表には似ても似つかない絵柄になっているので、ピンとこない方は多そう
ですが、私は好きだぞこういうの。
ミーハーに騒いでいるだけでなく、このシーンのいいところをば。
ジンがはいずって粥を取りに行くシーンがあるのですが、その動きの最中芋虫の
カットが差し込まれ、ジンが虫になぞらえるんですな。
クールで不格好なところのないジンでしたが、生きあがくかっこ悪いさが見えて
いいね。
ジンは助けてもらった世捨て人から魚を捕る極意を聞くことになる。
魚は水流れを読んで動くので、水の流れに決して逆らわないことだと。
この助言にて眼するジンは感服し、世捨て人の名前を訪ねるのだけど、返ってきた
答えは「宮本武蔵」
どこまでマジなんだかわからん(笑)
打倒沙羅のヒントを携え、フウとムゲンの元にジンは帰宅することとなりました。
ムゲンとジン、二人にとどめを刺さずにはいるものの、これで任務達成にして
おこうと思ったのか、お目付役の目を欺けると思ったのか、旅装束にてどこかへ
行こうとする沙羅の場面になります。
ところが風車のまわる地蔵堂の前を通りかかったとき、堂の影からお目付役の
声が。どこへいっても逃げられない。子供の成長を望むならば、命は我々のもの
であると告げられます。そしてとどめを刺せとの最終命令。
その会話の最中に、止まってしまう風車があります。沙羅はこの風車の気配から、
すでに子供はこの世にないと悟ってしまうんですな。
雨降りしきる中、再びムゲンvs沙羅のラストバトルです。
ジンのもたらした助言により、沙羅の感覚から己の存在を消すことに成功するの
ですが、刀を向けたとたん殺気によってか沙羅レーダーにひっかかり、槍は
脇腹直撃ものの軌道をえがく。
雨を切り裂く槍の軌跡っつう絵がめちゃめちゃいいバトルシーンでありますが、
ここ脇腹への決定打をえがく槍の軌跡ってのは、恐怖すら覚えますな。
死をもたらす黒い線に見えるんですよ。
この槍は間違いなくムゲンを斬ることができるのですが、沙羅は動きを変え
ムゲンに斬られることを選びます。
子供が生きていない今、命を握られる生など意味がなくなってしまった。
けれども他の生き方をするにも絶対に逃げられない。自分の命を握っているのは
公儀なのだと沙羅は語ります。
結局ムゲンもジンも沙羅にはかなわなかったわけです。そしてやるせない、
哀しい女の生き様だけが残されるという、ブルーになる結末で終わるのでした。
余韻引きずりますなぁ、これは。
今回の話しでフウが探すひまわりの匂いのする侍には、どうも幕府もからんで
いるらしいと推測がつきます。隠れキリシタンの持つアイテムが手がかりという
こともあり、キリスト教徒がらみで幕府vs一行という流れになるのかな。
残り話数も少ないこともあり、これからはシリアス話ばかりになりそうです。
毎回こんな話しだったら身が持たんよ(笑)
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