ENGINE

　油断していた。まっとうなボーイズラブゲームになっていると思ったんですよ、今までは。
　とくにシキルートはBL的お約束満載という流れであり、1個目のEDでBLお約束
大感謝祭開催となり、2個目のEDでお約束＋プチ燃えが入る。
　どちらも萌えをしっかりと作り込んでおり、3個目はどないなものがのぞける
のか楽しみにしてました。

　不意打ちの燃えエンドにテンション急上昇。

　くっ、やられたよ。こんな仕込みをしていようとは。
　観たエンディングの順番が萌え度高め→燃え度高めという順番だったようで、なお
効果倍増だったのかもしれません。

　というわけでシキルートクリア。開くEDは3つ……でいいのだろうか？
　以下ネタバレありのシキルート雑感です。リンクで隠します。

　いとうかなこさんの歌が流れる車椅子EDの穏やかさと哀しさがたまらない。
　もうファンファーレが鳴るほど盛り上がりまった！　
　生きる希望を失い抜け殻と化したシキに寄り添うアキラ。答えることのないシキに、
穏やかに語りかけ続ける。手にはかつての王が振るった愛刀を握り、シキを狙う輩を
切り伏せる。アキラはいつかシキに光りが戻ることを信じているわけですよ。
　そしてロケーションが最高にいい！　落ち葉が積もる遊歩道での戦闘ってことで
文章でも描写されていますが、身体捌きで落ち葉が舞い上がるわけです。
　映画HEROのような、落ち葉舞い上がり雨のように降り注ぐ、赤と黄の洪水を想像して
しまったわけでして。
　その洪水が収まったあとには、切り伏せられた人間と車椅子を押して行くアキラの
背中だけが見えるわけだ。

　このエンドが一番好きだ。大好きだ。ただBL的にはどうか(笑)
　車椅子EDは好きなんだが、シキが廃人同様になる理由がドラマ性に欠けるかな。
そんな理由で人生放棄するのかよ！　と思ったのは確かだ(笑)
　いや、理由はそれでもいい。それを納得してドラマがあるような気にさせてくれる、
そんななにかがあればよかったんだ。
　あとここでのアキラ、着ているコートがシキの物にみえる。色々妄想できますな。
アキラの血飛沫を顔面に浴びたことにより光りを取り戻し、俺の物に手を出すな宣言とともに復活、とか。
ベタネタだがな(笑)

　シキらしいBLEDだったら色狂いエンドかな。二人で覇道エンドはシキ最強っぷりが
いいですね。色狂いエンドと違って力押しの日本征服でないぶん、より強まって
いる感じを受けます。
　ただラストCGはカメラ目線の「イラスト」よりも、覇道を歩むシキとアキラという
「情景・光景」を描いたものだったら、反発していたアキラが心底シキに惚れ込む過程が
書いてあったら、よりかっこよくてよりカプ萌えしていたかもしれない。
　このルートではシキvs処刑人ズのバトルもきっちり書かれていて良かったです。
ここでキリオは得物にミツコさんという名前をつけていることがわかるのですが、
一瞬何のことだかわからなかったよ(笑)
　日本刀を構え疾走していくシキのCGは、シキ絵の中では一番好きです。
普段がスカしているぶん、あの獣じみた笑みはとても魅力的に見える。
対処刑人ズバトルのシキはかっこよくていい。

　いや、まぁなんだ、萌え系エンドは笑っちゃったんだけどね。あざとすぎだよ！(笑)

　シキルートはシキ×アキラというよりも、ナノ×シキ……いや、ナノvsシキなのか。
最後にはアキラは傍観者になってしまうんですよね。アキラの存在はシキにとって
薄いという、BL的には不完全燃焼な状態です。

　車椅子EDが強烈で、シキルートはシキ×アキラに萌えというよりも、ひたむきに
シキと共に生きるアキラに燃えてしまったよ。カプ萌えより燃えがたってしまいました。
　シキルートはテンプレート的なBL萌えシチュエーション満載のルートでした。
これにつきる。
　シキというキャラクタに、もちっと奥行きがあるとよかったなぁ。ナルシスというキーワード
しかないキャラになってます。

　シキルートではラインの謎が解明されるのですが、ナノの体液が原料って時点で
まさか、なんて考えてしまったわけだが。いやー、血液ってんでホッとしたよ(笑)