ENGINE

　※ネタバレスバリではないものの若干ネタバレあり。

　「うたの☆プリンスさまっ♪Repeat」を一通り終わらせました。
　無印のころはなんやかんやと言われていたゲームで覚悟して始めたのですが、
アニメから興味を持ったこともありましたし、レビューや公開されている
イベントCGから

　これはジャンル馬鹿ゲー

　と思って始めたので普通に楽しめました。
　強引でバカな超展開がきてもこれがうたプリなんだと。
　プレイヤーを無理矢理にでもバカ展開時空に引きずりこませてしまうのが
馬鹿ゲーの馬鹿ゲーたるゆえんでもあるので、その点においてうたプリは
突き抜けが足りていないのだとは思うのです。
　それゆえ馬鹿ゲーと思ってプレイした私ですら「置いてけぼり」に感じる
部分がありそこは残念。馬鹿をやりつつも乙女ゲーとしても成立しなければ
ならないので、バランスの取り方が難しいかとは思うのですが。
　ただ馬鹿ゲーと認識してやるのとそうでないのとでは印象が変わってくるの
かもしれません。　
　私は馬鹿展開きたー！っていいながら楽しめましたし、うたプリ馬鹿時空は
かなり気に入っています。もうどこから突っ込んでいいのかわからないよ！

　キャラクターはどれも活き活きとしていて魅力的でした。アニメから入った
私ですが、原作キャラのほうが魅力的に見えました。
　リピートでは対象キャラの心中を伺えるメモリアル機能がついていて、
ここが実にいい味をだしているかと。男性キャラの恋心丸見えです。ここ重要。
　エンドは各キャラ3つずつ。しかし恋愛系エンドにはたいした差はないため、
エンドは2つでよかったなと。
　CGは立ち絵からイベントCGまで無印から手が入っているようで、物語の
邪魔にはなりません。

　場面転換が多く、シーンを継ぎ足しながら物語が進行していくせいなのか、
若干ぶつ切れ感があります。
　このイベント必要か？　と思うようなものも。

　ゲーム部分は難易度が選べますしその場で何度もリトライでしますので、
苦手意識のある方にも親切な作りになっています。
　クイックセーブ、ロード、ショートカットも完備していて遊びやすいです。
ロード時間もストレスを感じるほどではありません。

　通常BGMは世界観を損なうことない無難な作り。キモの歌部分はさすがと
思える音楽が上がっています。
　音ゲーとして遊べる音楽になっているのでノリもよく、作中ではその曲を
ゲーム部分で延々と聞くわけです。
　そりゃあね、CD欲しくなっちゃいますよ！　それもシングルカットされて
いてサントラCDを買っても入ってない。なんちゅう販促ですかこれ(笑)

　ただ音声に関してはもごもごしてて残念なキャラがふたり。聖川と一ノ瀬は
もごもごしてますね。これは音声環境が悪いんだろうか。
　とくに一ノ瀬トキヤは1文章の中でもマイクが近かったり遠かったりと感じる
ことが多くというかそんなのばかりで、気になってしかたがありませんでした。
　そんなこともありトキヤルートはエンジョイしきれず残念。他のキャラは
それなりに「どうなるどうなる」と先が気になったのに、トキヤだけはどうにも
ならんかった。ちょほ。

　キャラ雑感を一言であわらすと、

　聖川真斗・一ノ瀬トキヤ→恋愛系エンドは目も当てられないw
　一十木音也・四ノ宮那月→おっかない
　来栖翔・神宮司レン→安心の常識人

　でした。
　はぐれ堅物純情派と漢気全開ちみっ子系がいてガッツポーズ。
　私が見たかったものがそこにはありました。これだけで買った価値があると
いうもの。開発室に向かって敬礼。

　翔ちゃん(翔だけはちゃん付けで呼んでしまう)は見てくれはかわいいのに
中身は男で不憫属性。
　ルートはライトスタッフな感じでした。古風で強い女じゃないとついて
いけないみたいな。
　翔ちゃんは乙女ゲー界のエドワード・エルリック（鋼の錬金術師）やで。

　真斗ルートは古き良き少女漫画風で王道展開で盛り上がります。
　むっつり国の堅物純情派プリンスで武士道ポエマー。誰か真斗にエロ本を
貸してあげてくださいと、全ルート終わったあとでは不憫に覚えてきた(笑)
　もじもじしてるふたりににやにやが止まりません！　止まりません！
　こいつと翔ちゃんはニヤリング率高かったです。

　レンルートでは主人公春歌がかっこよく、男性キャラが霞んでたw
　たらし二枚目キャラの裏王道展開で、こちらも少女漫画感溢るるルート。
　御曹司組はキャラの対比も効いていて面白く遊べました。
　ところでレンは探偵神宮寺三郎のパロディなんでしょうか。あちらも神宮寺
財閥の三男坊なんだ。Twitterで出た話題なのですが、たまたまなんですかね。

　那月は今すぐ病院へ行けってツッコミまざるを得ないルート。最初はなんで
このキャスト？と疑問に思ったが、中を開けてみれば納得のキャスティング。
　ほんとガラの悪いキャラやらせたら右に出る者はいないでぇ……

　音也は翔ちゃんとキャラ被りしてるなーと思っていたものの、翔ちゃんが
大人なぶん青春真っ盛りまわり見えてない突っ走りキャラ担当になっています。
全ルート中一番「大丈夫なのか？」というハラハラを味わえます。

　トキヤは上から目線ねくら男すぎてびっくりだ。「出来がよければ歌って
やってもいい」とかぬかしやがりまして、別の物語だったらこれ嫌われ者の
オタクキャラポジの性格ですよこれ。しかもこれ、本人うっかりほだされ
ちゃっての発言です。愛情表現わかりづらすぎんだろ！w　ツンデレ担当。
　こいつの苦しみを延々と聞かされるルート。

　脇キャラも個性的で掛け合いが楽しいです。
　あとライアーユーザーの方はどこかで聞いた声を堪能できます。

　どのキャラも魅力的ですがうたプリRのMVPはシャイニング早乙女であると
言わざるを得ない。
　このキャラがいることでうたプリが凡百の乙女ゲーから馬鹿ゲーにシフト
チェンジ出来ているよなぁと。

　
　設定的にはものっそい驚いたものが。
　
　お前ら血縁者かよ！！！！

　という絶叫を2度ほどした。
　

うたの☆プリンスさまっ♪Repeat(特典なし) ブロッコリー 2011-08-11 by G-Tools

　
　間違いなく人を選ぶタイトルだと思いますし、特別に絵が綺麗だとかシナリオ
がいいだとかはないのですが、キャラソン買うかって気になっている不思議な
タイトルです。なんなのこれ(笑)